会計課長 団達也が行く!(林總)

Dan  物語は、帰国した団 達也が恩師である宇佐美の命を受け、ジェピーに入社するところから始まります。

 ジェピーは東京、丸の内に本社を置く会社で、生産工場として愛知工場を持つ会社です。会計課長として赴任した団には、経理部長の斑目(まだらめ)や専務の間中という、会社を牛耳る連中との戦いが待っていました。

 この物語では、団が経理部の細谷真里と協力し、隠された経理の不正を暴いていきます。しかし斑目や間中の策略で愛知工場に団は左遷されてしまい、そこでは工場生産ラインでの「仕掛品」というマジックが待ちうけており、帳簿上だけでは解けないからくりに団は..
 過程では、ジェピーの資金繰り予定表にはじまり、損益計算書、加工計算書といった計算書が挿入されており、ジェピーという会社の経理マンになったつもりで、経理部と工場での加工費計算という両面からジェピー内部に潜む、数字の魔術を考えながら読み進むのも面白いかもしれません。

 熱血会計小説という一風変わったカテゴリーの作品ですが、2時間ドラマのつくりのように、怪しい登場人物とその裏にある粉飾決済と会社のっとりという悪巧みが散りばめられ、経理、会計に関係の方には、ある意味、娯楽作品として楽しめそうです。

 但し、「小説」という意味では荒削りな部分もありますので、会計とはなにか?を「物語」という切り口で提示した作品とお考え頂いた方が良いかも。

日経BP社 / ISBN 978-4-8222-4707-2 / 1,600円(税別)

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アップルを創った怪物(スティーブ・ウォズニアック)

Woz1_2  スティーブ・ウォズニアック、通称ウォズ。この自伝を読んで、ウォズの見方を変えたアップルファンも多いのではないでしょうか。

 iPodやiPhoneで有名なアップルですが、その昔にピザボックス型のパソコンを売り、カラーで楽しむコンピュータを作り出した「APPLE Computer」を知っている人にはたまらない一冊だと思います。

 物語は、ウォズの少年だった頃の話から始まり、紙の上で如何に少ないチップ数でコンピュータが設計出来るか、電波や電話を使い、イタズラした内幕などが楽しそうに語られ、HP社でエンジニアとして働きながら、ついに家庭用テレビに接続して使える”モニター接続型”のアップルIを世に送り出し、”システムメモリーという考え方と初のカラー出力”でアップルⅡを作ったエンジニアとしてのウォズまで、様々なエピソードを交えながら紹介されています。

 私生活の部分では2度の離婚や飛行機事故にあった経験など、アップルだけではない、”ウォズという人生”が語られています。

 ウォズは根っからの「エンジニア」なので、あまり人前に出てしゃべるタイプではなく、コツコツあたらしい技術を考えるのが好き。妻の為には一緒に居られる時間をなんとか作ろうと努力をし、欲しいものがあれば買ってあげる。

 そんな彼ですから、アップルが大きくなり、次第に手に負えなくなった時も、経営者ではなく、エンジニアの道を選び、プログラマブルリモコンの会社を作り、あっさりアップルから去ってしまった...。

 「アップルを創った怪物」もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝は電気少年だったウォズの「エンジニア」という壮大な冒険物語。
読み応えのある一冊です。Woz2

※尚、この本は何日も掛けてレストランでウォズにインタビューしながらまとめられた本だそうで、ウォズが友達に語るような感じで楽しく読め、翻訳(訳者:井口耕ニ氏)も、プログラムの展開には遷移(せんい)というSE用語が使われるなど、なるほどと思わせる翻訳技もありますので、技術思考の方でも楽しく読めるのではないかと思います。

ダイヤモンド社 / ISBN978-4-478-00479-1 / 2,000円(税別)

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夢をかなえるゾウ(水野敬也)

Yumezou ついに連続ドラマにもなった、「夢をかなえるゾウ」です。

ゾウといっても動物の話ではなく、サラリーマンと、なぜだか関西弁をしゃべるガネーシャという神様の話。

人生を変えたい!と思っているサラリーマン、僕のもとに突然あらわれたガネーシャは、僕と一緒に暮らしながら、次々と課題を出して行きます。

最初は迷惑そうだったサラリーマンの”僕”も、次第に課題のこなし方を覚えながら(体得しながら?)、自分を変えたいという思いで進んでいきます。

ちなみにガネーシャの課題の出し方は、突然の思いつきだったり、その時のやりとりの中からだったりと、あまり一貫性はありません。

またガネーシャは、あんみつが好きだったり、タバコもやめられないという変な神様なのですが、課題については偉人・有名人のエピソードから引用され、「靴をみがく」、「トイレ掃除をする」から、「全身鏡を見て身なりを整える」など、様々な角度から”変わりたい僕”のために課題が出されます。

その後、ガネーシャとのお別れが近づくにつれ、ガネーシャの体は透けていきます。

最後に消えてしまったガネーシャの前に、僕は新しい決意を持っていたのでした。

この本自体は新しい事を教えてくれる訳ではありません。

ですが、語りつくされた”言葉”でも、生活の中で振り返れば、新しい言葉で自分に響いてくるのかも知れません。

飛鳥新社 / ISBN978-4-87031-805-2 / 1,600円(税別)

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成功のコンセプト(三木谷浩史)

Photo 楽天といえば、インターネットショッピングで有名ですよね。三木谷さんは、現在、楽天の代表取締役会長兼社長ですが、楽天の最初の出発は、わずか2人の会社がスタートだったそうです。

また、三木谷さんはこの本の中で、創業からの10年を振り返り、顧客開拓やインターネット起業の苦労も語られていますが、読んでいて、”楽天が如何に成功したか”ではなく、楽天がやってきた事の中で、成功した事のポイントを、”コンセプト”と題されているのではないかと感じました。

自分は今40代、未だに高校時代の英和辞書が手元に残っていますが、その辞書にはInternet という単語はありません。そのくらいインターネットは新しい文化なのですが、楽天ではそれを活用する事で、更に「インターネットショッピング」という文化を広め、今や居ながらにして、全国の特産品が買えるだけてなく、地方のお店もインターネットを通じて、全国に発信できる時代になりました。

第4のコンセプトの中にある、「現代の買い物はエンターテイメントだ」と書かれている一節が、今の楽天という企業を現しているのではないかと思います。

幻冬舎 / ISBN978-4-344-01392-6 C0095 / 1,400円(税別)

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企画書は1行(野地秩嘉)

Kikaku サラリーマンの場合、仕事で”企画書”を書く時もありますよね。企画書と言っても千差万別ですが、この本に出てくる著名人の場合、新たに立ち上げた企画について、突き詰めて1行で言えばこう!という実にシンプルな構成です。

自分でも企画書を作る場合がありますが、あまり回りくどく説明してしまうと、本人は満足でも、相手は霧に巻かれた状態になりかねません。

”企画”と言うものは、やはり「わかりやすく」、最終的にそのコンセプトを1行で説明出来なければならないのかも知れません。

光文社 光文社文庫 / ISBN4-334-03357-1 C0234 / 700円(税別)

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フリーランスのジタバタな舞台裏(きたみりゅうじ)

Freelance この本では、SEだった作者が会社を辞めるところから始まります。会社ではシステム設計から営業までされ、フリーランスになる時には、まわりもプログラマーとして独立するのだと思われていたのですが、実はイラストと4コママンガ、更にライターとして著書を出し、どうにか生計を立てて行く現在までのお話。

自分も昔はSEとして勤めていた時代があり、作者が会社を辞める時の職場環境などを読むと、この業界はどこも一緒だったんだなーと振り返ったり。

作者はフリーランスになったあと、子供が生まれて家族が増えたり、思っていた仕事が延期になったり、逆に思わぬところで仕事がきたりのジタバタ劇。なかなかみなさんそんな苦労話を晒さないのですが、そんな悪戦苦闘ぶりはリアルなフリーランスの”舞台裏”で、フリーランス希望の人もそうでない人も面白く読める本です。

株式会社幻冬舎 幻冬舎文庫 / ISBN978-4-344-4-1050-3 C0195 / 495円(税別)

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賢者の選択 (BS朝日・矢動丸プロジェクト)

Kenja 起業家たち勇気と決断のサブタイトルがついているこの本は、BS朝日で2004年10月から放送されている「賢者の選択」という番組のインタービュー集。

楽天で有名な三木谷さんや、グットウィルの折口さん、パソコンメーカーになったMCJの高島さんなど、各界の社長91人が語った、起業する、決断する「選択」の部分がまとめられています。

著名な方ばかりなので、個々の著書もあるかと思いますが、それぞれに起業を決めた瞬間や、事業の決断をされた時の思いなどが1人2ページくらいにまとめられていて、読みやすい文庫です。

電車の中や、空き時間など、ちょっとした時間に「賢者の選択」を知るには丁度良いかも。

日本経済新聞社 日経ビジネス人文庫/ISBN978-4-532-19378-2 C0134 / 714円(税別)

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社長が贈り続けた社員への手紙 (渡邉美樹)

Watami ワタミの渡邉さんと言えば、有名ですよね。

この本は2006年の12月に出た本なのですが、たまたま立ち寄った文庫本のコーナーで見つけて読みました。

内容的には、社長のメッセージとして出されたものを、再編して1冊の文庫にしてあるのですが、ワタミの居酒屋をやっていく上での様々な出来事に、社長としての指針を1つ1つ示し続けた貴重なメッセージ集だと思います。

今はワタミフードサービスグループの代表になられている渡邉さんですが、会社が大きくなっていく中でも、会社を運営していく理念をしっかり今でも持たれているのだと思います。中では、運営する居酒屋でのサービスの至らない例、自分で廻られて見られた感想、お客様のアンケートの結果についてなど、他の会社では、「こんな状況でした」という、あまり社外には出さない内部の出来事も”変えていかなくては”という渡邉さんの思いだから、ここまでありのままに出せるのだと思います。

サラリーマンやっている自分が言うのも変ですが、やはり、小さな会社なのに、現場を顧みない社長より、大きな会社でも、現場を見ようとする社長の方が、圧倒的に信頼が厚いのではないでしょうか。

この本を読んだら、いろんな思いを持って、しばらくご無沙汰の和民にでも行こうかと思いました。

株式会社中経出版 中経の文庫 / ISBN978-4-8061-2587-7 C0134  / 522円(税別)

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スープで、いきます。(遠山正道)

Soup サブタイトル、商社マンがSoupStockTokyoを作る、となっているこの本。最初はなんとなく買ってしまった本でしたが、今は有名なSoupStockTokyoを立ち上げた、元商社マンの話です。スープで確立されたSoupStockの話から、会社組織をつくる苦労まで、なかなか濃くておいしいスープでした。

会社起業や、飲食店を考えられている方にはオススメかも。

新潮社/ISBN4-10-301151-3  1,200円(税別)

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キリンの流儀

これから夏に向かって、ビールのおいしい(ハズ)季節ですが、それとは関係なく、「キリンの流儀」買ってしまいました。特に、サブタイトルのカネに頼るな自分に頼れという一文は、ちょっと興味惹かれました。

発泡酒、第四のビールと騒がれる現在、人々の嗜好が多様化する中で、如何に新製品、キリンビールらしいを出しながら、それを販売していくか?苦難の連続でも、以前のように店への協賛金がでなくても頑張る”知恵”のドキュメンタリーだと思います。

どんな仕事もそうだと思いますが、安直に売れるものは苦労も感動もなく、かえって大変な思いをした時の方が、達成感がある時がありますよね。この本はそんな面白みが詰まっている本です。

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東京タワー

今月、映画”東京タワー”が封切られました。

少し前にドラマでもやっていたので、知っている方も多いでしょう。その原作本はリリーフランキーの”東京タワー”。

実はこの本、2005年の暮れに読んでいて、今更ブログに載せるのも変なのですが、どうしても載せたい一冊なのです。今や、ドラマ、映画にもなり、東京タワーの世界がいろいろ広がっているのですが、この本を読んだときには、感動よりももっと強い、”母に対する思い”がもの凄く体に沸いてきた感覚を受けました。

ドラマや映画になる前、たまたま立ち寄った丸の内のオアゾで買ったものでした。年末近く、たまには、何か小説でも読むか?くらいの気分で買った本でした。当然、リリーフランキーなど、知らない存在。

読み始めたら、一気にでしたね。もちろんいろいろあって、1日ではありませんでしたが。でも、読んでいてこれだけ喜怒哀楽の激しい本もないのではないかと思います。最初の回想のあたりは思わず噴きだしてしまうところも........後半は、涙が自然と溢れてきて、無言でページをめくります。

どこかで、人は誰も”お母さん”という存在に思いを馳せるのでは.......。

母の日近い日ですが、こんな一冊もいかがでしょうか。

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